ジェイコブソンが体系化した。
クリステンセンとジェイコブソンが開発した。
グリーンバーグとジョンソンが開発し,後に,ジョンソン版EFTとグリーンバーグ版EFTとに分岐した。
「マリッジ・チェックアップ(Marriage Checkup;以下, MC)」とは,米国のコルドバ博士が開発した,2回のみの面接からなる,カップルのための簡易な支援プログラムです。
MCの主な目的は,カップルが良い関係を維持できること(関係性悪化の予防)と,必要に応じてできるだけ早期の段階でカップルがより本格的なカップルセラピーへの参加を後押しすることにあります。しかし,MCはたった2回というごく少ない面接回数であるにも関わらず,それ自体によって参加したカップルの関係性の質を高めることが研究から示されています。
第1回目の面接では,カウンセラーは,参加するカップルの関係性の歴史を簡単に聴き,事前に参加するパートナーのそれぞれが回答した二人の強みや気掛かりなことについての評価結果,アンケート形式の心理検査の結果をもとに,参加するカップルの関係が現在どういったものであり,パートナーそれぞれがそれをどのように捉えているかについて紐解いていきます。
第2回目の面接では,カウンセラーは,1回目の面接での様子から読み取れた情報も含め,各種の研究知見をもとに,二人の現状に関して何が言えそうかについて二人にわかりやすく伝えます。その上で,改めて二人それぞれの意見や感じ方を整理していきながら,最終的に,二人の関係性のさらなる向上に向けた具体的なアイデアについて一緒に相談していきます。
コルドバ博士によれば,MCの特徴は,それが「セラピー(心理療法)」ではなく,アセスメントとフィードバック(結果の報告)という2回のみの面接からなる,より気軽に受けられる(健康診断のような)プログラムである点にあります(Cordova, 2014)。
日本のカップルにとっても,カップルセラピーを受けることへの敷居の高さを考えると,プログラムが気軽に受けられるものであることはとても重要だといえそうです。あわせて,MCの目的は,参加したカップルにおけるその後のカップルセラピーへの参加を後押しすることにあるわけですが,現在の日本では,残念ながらアメリカやカナダのようには,効果が研究によって確認されたカップルセラピーが普及していません。その意味では,むしろ,日本においてはより積極的な意味をもたせた2回の面接の実施を目指す方が妥当なのかもしれません。
文献
Cordova, J. V. (2014). The marriage checkup practitioner’s guide: Promoting lifelong relationship health. Washington, DC, US: American Psychological Association.